Friday, July 21, 2006

ダイヤモンド(Diamond)

ダイヤモンド(Diamond;金剛石、ダイアモンドとも言う)は、炭素が高温高圧の地球内部で圧縮され生成される8面体構造を持つ炭素の結晶であり、自然に生成される鉱物の中で最も硬い。

ダイヤモンドという名前は、ギリシア語の adamas (征服できない、懐かない)に由来する。また、菱形をあらわし、トランプの絵柄(スート)、野球の内野、記号(◇)をも言う。

4月の誕生石でもあり、石言葉は「永遠の絆・純潔」。



ダイヤモンドの性質
ダイヤモンドの飛びぬけた硬さは古くからよく知られ、工業的にも研磨や切削など多くのことに利用されている。モース硬度はダイヤモンドを最高値 (10) として作成されており、ヌープ硬度でも飛び抜けて硬いことが知られている(理論的には、ダイヤモンドの炭素原子が一部窒素原子に置換された、立方晶窒化炭素はダイヤモンド以上の硬度を持つと予測される)。モース硬度は摩擦やひっかき傷に対するものであり、宝石の耐久性の表し方は他にも靭性(じんせい)という割れや欠けに対する抵抗力などがある。ダイヤモンドの靭性は水晶と同じ7.5(かなづちで上から叩けば粉々に割れる程度)であり、ルビーやサファイアの8よりも低い。

この硬さは、炭素原子間が共有結合していることによる。ダイヤモンド構造は一つの炭素が正四面体の中心にあるとすると、最近接の炭素原子はその四面体の頂点上に存在し、このため炭素間の結合は sp³ 的なもの(強固な共有結合)になっている。この結晶構造を持つダイヤを立方晶ダイヤとよぶ。一方で、炭素の同素体であるグラファイト(石墨)は、層状の六方晶構造で、層内の結合は sp² 的なものとなっている。この層内では共有結合を有し結合力は比較的強いが、層間はファンデルワールス結合で弱い。六方晶の構造を持つダイヤも存在するが、不安定で地球上には隕石痕など非常に限られた場所でしかみつかっておらず、0.1mmを超える大きさの単結晶は存在しない。よってその性質にはまだわかっていないことも多い。

ダイヤモンドは、普通の物質や道具では傷つけられないと思われているが、決して無敵の鉱物ではない。「結晶方向に対する角度も考慮し、ごく小さな範囲に瞬間的に大きな力を加える」、「燃焼などの化学反応を人為的に促進する」などの方法で壊すことができる。また、高温下では一部の物質と化学反応を起こすことが知られている。

また、ダイヤモンドは熱伝導性が非常に高い。バンドギャップは5.5eVの絶縁体であるが、不純物を添加することにより半導体化の試みがなされている。



宝飾用のダイヤモンド
ダイヤモンドは屈折率 2.417、分散率 0.044、比重 3.52で、透明な鉱物である。光に当てると「ファイアー」と呼ばれる非常に美しい輝きを放ち、装飾用の高価な宝石として利用されている。その美しい輝きを出すためにカッティングの技術が発達した。カット法には様々なものがあり、なかでも有名なのが58面体にカットするブリリアントカットの円形のもの(ラウンドブリリアントカット)である。ブリリアントカットは宝石の上面から入射した光が、総て内側で全反射して再び上面から出射するように設計されている、反射光が最も美しいカットであるとされていたが、現在OEカットダイヤモンド等のより光の反射量の多い、輝きを重視する新しいカット法が次々現れている。また、カット面も58面体より多い66面カット、80面カット、86面カット、102面カット、114面カット、144面カット、194面カット、200面カット、210面カット、1008面カット等多面体カットも発明され、金や緑、青などの反射による様々な発色が楽しめるようにもなっている。

ダイヤモンドの品質は、しばしば4つのCとして説明される。すなわち、カラット(Carat)、色(Color)、カット(Cut)、透明度(Clarity)である。なお、ダイヤモンドの評価基準である4Cとはあくまでも58面体のラウンドブリリアントカットに対する国際基準である。無色透明のものほど価値が高く、黄色や茶色など色のついたものは価値が落ちるとされるが、ブルーダイヤモンド、ピンクダイヤモンドやグリーンダイヤモンドは稀少であり、無色のものよりも高価で取引される。また、低級とされる黄色のものでも、綺麗な黄色(カナリー・イエローと呼ばれる物など)であれば価値が高い。カットの巧拙や瑕疵・内包物の有無も重要な価値判断の基準となる。

20世紀末頃から、内包するグラファイトなどにより黒色不透明となったブラックダイヤモンド(ボルツ・ダイヤモンドとも呼ばれる)がアクセサリーとして評価され、高級宝飾店ティファニーなどの宝飾品に使用されている。

史上有名な数々のダイヤモンドのなかに、「カリナン」と呼ばれる石がある。これは1905年に南アフリカで発見され、カット前の原石は3106カラットもあり、これをカットすることで合計1063カラットの105個の宝石が得られた。これらは当時のイギリス国王であるエドワード7世に献上されている。105個のなかでも「ザ・グレート・スター・オブ・アフリカ(偉大なアフリカの星)」は530.20カラットで、カットされたダイヤモンドとしては長らく世界最大の大きさを誇っていた。「ザ・グレート・スター・オブ・アフリカ」はロンドン塔内に展示されており、見学することができる。

現在、世界最大の研磨済みダイヤモンドは、「ザ・ゴールデン・ジュビリー」である。この石は545.67カラットあり、プミポン国王の治世50周年を記念して1997年にタイ王室に献上された。


模造ダイヤモンド
宝飾用のダイアモンドの代用品(イミテーション)としては、ジルコニア(二酸化ジルコニウムの結晶)やガラスが用いられる。ダイヤモンドと模造ダイヤモンドの見分け方として、油性ペンで結晶の上に線を書くというものがある。ダイヤモンドは親油性の物体であり、油脂を弾かない。一方、ジルコニアなどの模造ダイヤモンドは油を弾く性質を持っている。したがって、油性フェルトペンの筆跡が残らなければ偽物だと見分けることができる。ダイヤモンドの親油性は採石時にも利用されており、ダイヤモンドを含んだ土砂をグリースを塗布した板(グリース・テーブル)の上に流すことでダイヤモンドを吸着させ、選別している。親油性が高いということは、手の脂で汚れやすいということである。そのため、ダイヤモンドに素手で触れるのは出来る限り避けるべきである(宝飾店などのプロフェッショナルは必ず綿のスムス手袋を嵌めて扱う)。


人工ダイヤモンド
ダイヤモンドを人工的に作ることは古くから試みられてきたが、実際に成功したのは20世紀になってからのことである。1950年代に米国のゼネラルエレクトリック社が高圧合成により初めて人工的にダイヤモンドを作り出した。現在では、ダイヤモンドを人工的に作成する方法は複数が存在する。従来通り炭素に 1,200–2,400 ℃、55,000–100,000 気圧をかける高温高圧法 (High Pressure High Temperature, HPHT。静的高温高圧法と動的高圧高温法とがある)や、それに対して大気圧近傍で合成が可能な化学気相成長法 (Chemical Vapor Deposition, CVD。exa法、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法、燃焼炎法などがある)によりプラズマ状にしたガス(例えば、メタンと水素を混合させたもの、その他にメタン-酸素やエチレン-酸素などがある)から結晶を基板上で成長させる方法などが知られている。

人工ダイヤモンドは上述の静的高温高圧法においては鉄、ニッケル、マンガン、コバルトなどの金属(これらは触媒として合成時に用いられる)や窒素などの不純物の混入などで黄、緑、黒やこれらの混合した色等の結晶として生成されるのが一般的であり、また、大きな結晶を得ることが困難であるため、宝飾用途には利用されず、主に工業用ダイヤモンドとして研磨や切削加工(ルータービットやヤスリ)に利用されている。しかし近年、合成技術の向上により、天然物よりもさらに透明度などの品質の良い大型の人工ダイヤモンドを合成することが住友電工などで可能となっている。これらを宝飾用として流通させることは、種々の問題を引き起こす可能性があるため、現在では研究用途などにのみ提供されている。

1 Comments:

Blogger Suisui said...

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89
からの全文転載ですね。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9
を読み、適切なライセンス表示をしてください

2:53 AM  

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